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読了107

ある少女にまつわる殺人の告白

ある少女にまつわる殺人の告白

交通事故をきっかけに虐待されているのではと思われる女の子を保護する過程や一連の事件を、当事者たちが語りながら事件の全貌が明らかになるんだけど、ラストまで読んでこの虐待の連鎖が断ち切れていないことに恐ろしさを感じ、読後感がよくない。ちょうど今虐待の事件でテレビがにぎわっていて、胃の中からオムツや猫砂が…とか聞くと子どもがいない自分ですら泣けてくるのに、そんな時にこれを読んでしまって本当に心がざわついている。このテの話はデリケートだけれど、もう少し行政が動けるように法律をきちんと確立してもらいたいものだよねぇ。
しかしこの話の中心となるあきちゃんだけど、彼女は人を惹きつける才能がものすごいなと思う。彼女のシンパみたいな人が多すぎてなんかこわい。人の心をこうもうまく操れるのかと。物語の聞き取りをしてる人物が誰かも普通に考えればわかるんだけど、えがかれていないこの先彼らの人生はどうなっていくのか…。