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読了077

六条御息所 源氏がたり 一、光の章

六条御息所 源氏がたり 一、光の章

六条御息所の目線で源氏物語を語る。桐壺から賢木まで、ととらえていいのかな。葵の上が亡くなって、桐壺院が亡くなって、後ろ盾がなくなった光源氏に対して、兄・朱雀帝の母である弘徽殿の大后が失脚を画策しはじめる…というところまで。
色んな方が現代版に訳して出版しているけどどれも読んだことがなくて、わたしの中の源氏物語といえば大和和紀さんのあさきゆめみしなんだけど。かなり昔に読んだ作品だったけど大まかなあらすじって覚えてるもんだねー。父である桐壺帝から始まり、あの男たちは好色であるということは言うまでもなく、その周りの女たちの嫉妬や計算高さやら、そういったものが描かれていてわりとおもしろい。特に夕顔ってはかない女性として描かれてた記憶があるけど、これだと、頭の中将と別れて1年もしない内に光源氏と関係を結び、彼に気に入られるために子どもをこっそりと隠したり彼にもっともっとと思わせるような女を演じたりとめちゃくちゃしたたかに描かれてておもしろかった。正妻である葵の上はほとんど登場しないけど、これは原書でもそうなのかがわからない。