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読了_15

凍りのくじら (講談社文庫)

凍りのくじら (講談社文庫)

途中までは理帆子の感覚的な部分に左右される一種の青春小説かと思ってたけどそこはやはり辻村さんというかラストはミステリーと取れる「おおっ!そうだったのか!!」を混ぜてくれてました。元カレの狂気に気づかず自分のエゴで彼を甘やかして許してきたつけが回ってきた瞬間、本当に気持ち悪くて、正直理帆子には全く共感できません。そんな中あきらは作品の中で不思議な存在で、一種の清涼剤のような存在で、ホッとしてました。辻村作品は最初からちょっと不穏な空気を含んでて、途中ギューっと苦しくなるんだけど、最後はちゃんとラクになれるようになっていて、これはそれがとても顕著だった気がする。イタい人が多すぎたなあ。