- 作者: 米澤穂信
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2009/08
- メディア: 単行本
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作中に参吾の作品も記されている。叶黒白の作品はどれも短いものでサッと読めるものだったけど、すっきりしないというか、事件になぞらえて書かれたものだったから決しておもしろおかしく楽しめるような作品ではなかったなあ。主人公の芳光自体が暗いトーンで描かれているので、作品全体がちょっと色彩が暗いような印象。ずっとじめっとした空気感っていうか。ラストで「アントワープの銃声」の真相や作品を残した意図、5編と対応するラストの1行など、全部が解明されるんだけど、あの結末を導き出したことで彼女は救われるのかどうか。最後までじわーっと暗い内容だったな。でも個人的には最後「そうなのか!」と納得したし、割とこの作品好きです。