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読了(109/100)

ふちなしのかがみ

ふちなしのかがみ

タイトルがしめす通り現実とそうじゃない世界の境界線が不明確でちょっとしたことで不思議なゾッとする世界に足を踏み入れてしまったお話を集めた短編集。辻村さんの作品を全て読んでるわけじゃないけど、読んだものは少なくともどこかおそろしいというかゾッとしてしまったり不安な気分にさせられてたけど、この作品はそのゾッとした不安な気持ちの部分が一番前面に出てきた作品ですね。こどものころにこわいと思ってたものが題材になってたりします。
やってはいけないと言われるとやりたくなるのが人間の心理というか、そういう人って多いと思うけど、そのやってはいけない境目を超えてしまった人たちが描かれているお話。ゾッとしてこわいんだけど、夜布団のなかで読んでしまった。特に学校を舞台にされてしまうとわけもなく不安な気持ちになってこわいんだよねぇ。なぜか学校ってそういうこわいポイントにされがちだからだろうけど。(ちなみに我が母校では7不思議なんてありませんでした。)ただ、ところどころ自分の足りない脳内では消化しきれなかった作品もあるので、文庫が出た辺りで再読したい。