- 作者: 金城 一紀
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2011/03/01
- メディア: 単行本
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高校に入って舜臣やヒロシや萱野や山下と出会って、アギーもいて、ゾンビーズの原型になるみんなが高校で同じクラスになり仲良くなって、学校という社会のなかで世界を変えるために立ち向かっていく話の一番最初のところにあたるわけだけど、今回も面白かった。落ちこぼれ高校に入って、学校の思惑通りに動かされそうになる新入生たち。訓練は過酷なものだし、手入れが頻繁に行われたり、生徒たちの気持ちを萎えさせていくんだけど、そこで南方が言ってた、みんなは自分が悪い、落ちこぼれだからしょうがない、そういう風に思ってしまって疑問も持たずにドロップアウトしていくシステムというのはなんとなく理解できる。ラストの南方の父親とのシーンも、結局親が子どもを信じきれずに権力だけを振りかざすわけだけど、子どもの立場からすると、納得できないよね。いや、社会に出ても落ちこぼれ的レッテルを貼られるとキツイか。
ゾンビーズの面々は猿島の暴力にたえ、楽しそうなあのゾンビーズになっていくんだろうけど、そこにはこういった日々を乗り越えてきた彼らの強さがあってこそのキラキラとした青春の眩しさ、憧れ、楽しそうな彼らの世界があるんだなあ。ゾンビーズのお話はこれで終わりだけれど、わたしはゾンビーズが大好きで、きっといつまでたってもこのお話たちを忘れないと思う。