- 作者: 初野晴
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/05/08
- メディア: 新書
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タイムトラベルミステリーってことだけど、特定の人が特殊な方法でタイムトラベルするだけ、普通の人が機械に頼ってタイムトラベルーなんて優雅な作品じゃありません。
タイムトラベルする先が今回は中世のイングランド、魔女狩り裁判の真っ只中。勇介がナナを助けるために枇杷とともにタイムトラベルするんだけど、そもそもナナは事故で脳死状態となり、放り出された精神が魔女狩り裁判のそのピンポイントな時代にとばされたという、これも不思議な設定。タイムトラベルして、その先の人間を宿にして活動できる枇杷と、その命綱となり精神だけ一緒に飛ぶことのできる勇介。時代が時代だけに枇杷が直面する肉体的にも精神的にもつらかったり、正直楽しい話じゃない。魔女狩り裁判で有罪判決が出てしまうナナの宿主アルドゴンドの裁判を見て、現代に持ちかえり、現代で待ってた仲間たちが裁判のカラクリを暴くんだけど、種明かしするとそれまでの不穏な空気がサッとはれて、最後は割とあっさりと終わったような。タイムトラベル先での出来事が結構重く苦しい雰囲気なので結構読んでて暗い気持ちになるんだけどナナのことを思うと助かってよかったなーとホッとしました。